京ことば玉手箱

型番 978-4897040172
定価 961円(税87円)
販売価格 961円(税87円)
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《本文内容》
詩情溢れる〈絵ことば・ノスタルジッックな京都の風情を墨絵〉編と豊富な語彙(辞典)・補足(畳語・音便・敬語表現など)編からなる本書は、「つねぎ=普段着」の京都やゆかしい文化・風物・行事などの解説も織りまぜながら、より深く京都を識るための[ことばの手引き]書となっています。

著者からのコメント
あとがきより
おおきに、おはよーさん、はんなりしてますなあ……。京ことばは、聞くものにやわらかく、心地好い。おひいさん(お日さん)、ようよう(よくよく)見といやっしゃ……など、ゆったりしたテンポや繰り返しの多い言葉、粗野を嫌い細やかな心遣いをみせる表現は、「都」にふさわしい“雅”さを思わせます。しかし、断定的・直截な表現を避け「~(の)よーに、思いますが」「~と、ちゃいますやろか」といった婉曲・間接的な言い回しの多いことも、京ことばの特徴の一つです。千年の長きにわたり、日本の政治・経済・文化の中心都市であった京都では、他のいかなる土地よりも、そこに住むものにより多くの洗練と試練をも与え、いっそうの慎重さ・用心深さを植え付けてもきたのです。ほめられているのか、けなされているのか判らない京ことば……。多分“良い方”に受け取るとヤボなお人、ということになります。これも「都」に暮らした人々が培ってきた生きる術、智恵の結晶の一つでもありましょう。
京都の言葉も、宮中を中心とした公家社会で培われた御所ことばと、町方のことばとが有ります。いわゆる「京ことば」とはこの町方ことばですが、それも、中京ことば、西陣や他の伝統産業特有の職人ことば、祇園などの花街ことば、それに京近郊のことばなどが、時間をかけ幾重にもないまぜになり、今日に至っているものと思われます。歴史には個性はあるが定形はない、と同じことが「ことば」にも当てはまります。いたる所で京都特有の町並みが姿を変えつつあるように、そこに住まう人々の暮しや言葉も変化してゆきます。しかし「京」がいつまでも「京」であって欲しいように、「京ことば」もいつまでもその特色を失わないで欲しいものです。本書では、そのような思いを込め、現在でも私たちの生活に生きている「京ことば」を拾い上げ、また、失われつつある床しい「京ことば」を書き記しました。とりもなおさずそれは、少しずつ色褪せてゆく昔日の京都へのノスタルジィかもしれません。

著者 加納進
絵 越水利江子

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